当工房にて手絣染めした糸を使い、手織り・ジャカード織・カラミ織・ドビー織の織技術があります。
手織り
リボン織「絹紐織」とは
リボン織「絹紐織」とは、絹リボン糸(4mm巾に織り上げたテープ状の糸)を経糸・緯糸に使用して、織り上げた当工房独自のオリジナル生地です。
当工房では絹リボン糸を経糸・緯糸共に使用して、双方捩れる事無く織り上げる技術で、独自のジャガード柄を手織りにて織り上げた生地や、経糸のみリボン糸を使用した生地まで、各種リボン織を製造しています。
リボン織りの工程
- 1、リボン糸を染める
- 当工房内にて手絣染めの技法で染め上げます。
- 基本4色の色目を手染めで染め上げる為、色と色との当りににじみが出来、柔らかいグラデーションに染め上がるのが特徴の一つです。
- 2、乾燥
- 陰干しで干します。
- ある程度乾いたらリボン糸1本1本をアイロンでシワを伸ばしながら、乾燥と巻上げを同時に行います。(この工程を最低2回)
- 3、整経
- 整経時に糸同士が絡み合わない様に、絹糸を砂の上に並べ、一日置くことで自然に糸が湿気を含み、糸自身をリラックスさせます。
- この工程は多湿な土壌活かした丹後の風土が生んだ独特な技法です。
- シワを伸ばしたリボン糸を、撚れない様に慎重に整経します。(この技術は非公開です)
- 4、織機に乗せ、織り工程
- タテ糸に使用しているリボン糸が撚れない様に織り上げます。
- ヨコ糸もリボン糸を織り込む場合は、手織りにて織り上げます。この場合は生地巾が75cmとなります。
- 手織りの為、ベテランの職人でも1日/2~3m織るのが精一杯です。
- ヨコ糸に生糸を使用して織り上げる場合はシャトル織機にて織り上げる為、約100cm巾の生地に織り上がります。
- 自動織機を使い織り上げますが、タテのリボン糸の撚れ防止の為、70回転/分の超低速で織り上げるますので、1日/10~12mの生産量と成ります。
- 生地の用途に応じ、手織り・機械織りを使い分けており、どちらでも可能ですがタテ糸が撚れない様に注意して織り上げます。
リボン織生地の特徴
手染めで染め上げた多色染糸(リボン状の糸)をタテ・ヨコに使用し、撚れない様に手織りにて織り上げる技術が最大の特徴です。
またジャカードを使用することにより、色と柄が絡み合い非常に複雑な表面感と、軽く柔らかな風合いの生地に仕上がっており、当社独自の染から織まで一貫した完全ハンドメイドな生地です。
ジャカード織
ジャガードとは本来は、J・Fジャガード氏(フランス1752~1834)の考案した紋織り機で織られた紋織物です。
ジャカード織とは柄織機のひとつでパンチカードという厚手の紙に穴をあけたカードの指示によって生地を織り上げていく装置のことです。
経糸1本1本を、パンチカードに開けた一つひとつの穴にタテ糸が表に出るか、ヨコ糸が表かの情報をもたせていて複雑な柄・模様を織り上げる事が出来ます。
ジャガード織機を使うと模様の複雑さ、大きさにかかわらず織柄を織ることができます。
からみ織
からみ織とは織技法の一つで、1本の経糸が、1ないし2本の経糸に絡みながら緯糸と組み合った、透き間のある織物です。
羅、絽、紗などの種類があります。経糸が絡むのを捩るということから、捩り織りともいいます。
レノ、または、リノともいいます。
複数の糸を捩った太い糸を経糸とするため、目が粗くなり、そのため通気性がよく、斜め方向に伸びる生地などの特徴の有る織物ができます。
ドビー織
ドビー織とは 経糸を2~16枚程度の機具(ソウコウ)で 上下させで織る装置です。
なので、数mm程度の小さな柄か組織の単純な物、織柄のチェックやストライプ、小さなワンポイント菱形等の続したパターンの生地を織るのに最適です。